人類が火星にやって来る物語を年代ごとにおっていく。いくつもの短編を紡いだ形の本。

私が特に好きな物語は、最初の方のいくつか。最初の方の話は、人類が初めて火星に降り立って、火星人と出会う話。

・イラ  間接的表現で何が起こったか読者に想像させる書き方が粋。
・地球の人々  火星人の性格や行動が面白く描かれている。
・ 第三探検隊  不気味さとスリルが際立っていて、サスペンスのよう。
・月は今でも明るいが  侵略することを良しとしない一人の探検隊員の孤高の戦いや精神的苦悩の美しさ。痛烈な植民地批判。

次どうなるか予測不可能で、気になって仕方がなくて一気に読んだ。作者自身も問題をどう解決するか書きながら思いついたんじゃないかと思うくらいの予測不可能さ。読書中にアハ体験を何度もするような感じ。作中に出てくる詩が美しいんだけど、物語自体が芸術作品のように美しい。意外にバッドエンドな物語が多いけれど、希望が含まれていて、読み終えた後はポジティブな気持ちになれる本だと思う。
 
火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)
レイ ブラッドベリ
早川書房
2010-07-10