第16代ローマ皇帝マルクス・アウレリウス(121年~180年)の手記。皇帝だったにも関わらず質素な生活を良しとし、哲学を尊び、良き人物であろうとした姿がうかんできます。

「余計なことに関心をもたないこと」、「無価値なことに熱心にならぬこと」、「魔術師や詐欺師がまじないや悪霊の追い払いについてしゃべる話を信用しないこと」(pp.4-5)

[精神的内面的な]自由を。そして僥幸をあてにすることはきっぱりとやめて、理性(ロゴス)以外の何ものにも、たとえ僅かの間でも、頼らないことを。また、いつでも同じ[人物]であることを ― 苦痛の激しいとき、子供を失ったとき、長患いのときにも。(p.7)

この文章を読んで、占いで一喜一憂したり、神頼みをすることに、自分は今まで何も思っていなかったことに気づきました。僅かの間どころか、ことあるごとに理性以外のもに頼っていることを、良いか悪いか考えたことがなかった。
現実と向き合い、良くなるように行動することが、最も賢い選択なのだろうと妙に納得しました。

納得はしましたが、それを実行に移すのは難しいです。マルクス・アウレリウスも難しいと感じていたのかもしれない。だから、自分への戒めとして、書いたのかもしれない。



自省録 (西洋古典叢書)
マルクス アウレリウス
京都大学学術出版会
1998-04-01