直木賞受賞作「何者」の中に出てくる脇役達が主人公になった短編集です。例えば、面接官、親友、好きな子の父親とその不倫相手、就活で知り合いになった同じマンションのカップルなど。
六編入ってて、話は「何者」を介して繋がっているけど、この六編自体の繋がりはなくて、独立した短編集となっています。

朝井リョウさんの書く学園生活は、主人公がクラスの《いけてる人気者集団》、または《ちょっといけてる普通のグループ》に属していることが多いです。「何様」でも、バンドをしている、クラスの中心的存在が一作目の主人公です。「去年告白してきた後輩~」というような文もさりげなくでてきます。学生時代、人気者だったっぽい朝井リョウさんならではの切り込み口だと思います。
また、《いけてないグループ》に属する子たちも、いじめを受けているとかではなくて、『ただ大人しい』とか、『共通の趣味(映画)を持つもの同士でいつも映画の話してる』など、それくらいです。

学園ものだと、いじめられている子や、いけてない子が主人公になることが多いし、いじめや無視がよくでてきます。けれど、自分の中高時代を振り返ってみると、グループに分かれて人気、不人気、声かけない、とかはあったけど、ただ気が合う子で集まるという感じだったので、朝井リョウさんの描くクラスの人間関係はリアルに近いなと感じます。その中で、自分はグループの他の二人となんとなくあわないとか、一歩ひいてしまうとか、乗り切れないとか、そういう一人一人が感じる悶々とした気持ちを表現していて、そこでまた共感できるのが面白いです。