主役のレイチェル・ブルームはコメディアンで、脚本も務め、この「クレイジー・エックス・ガールフレンド」でゴールデングローブ賞を受賞しました。

他の登場人物は全員、歌やダンスのプロで、ミュージカル仕立ての作品の中でキラキラと輝いています。

正直いうと、レベッカが恋するジョシュ役のヴィンセント・ロドリゲス三世に対して、初めは、もっとカッコイイ人がいるのでは、と思ったのですが、回をおうごとに良く見えてきます。彼はプロのダンサーで、作品の中のダンスシーンではエネルギー溢れています。

もう一人のヒーロー、グレッグは「アナと雪の女王」のハンス王子の声を務めたサティノ・フォンタナさん。歌が上手すぎてカッコ良いです。

みんな歌やダンスになると、顔つきや雰囲気が変わり、自信にあふれて楽しそうです。

すごい悪者が出てくるわけではないけど、一人一人が少しずつ自己中心的であることが、大切な人の人生を狂わせるという。

特に面白い登場人物は教師の浅見さん。お葬式に沢山の教え子が駆けつける父親のような、本物の教師への強い憧れを抱いていた。自分は飲酒運転は絶対できないといいながらも、同じくお酒を飲んでいた友人に代わりに運転させたり、自分の立場を守るために、教え子が濡れ衣をかけられているままにして真実を話さなかったり…。
かと思えば、正しくあろうとする面もあって、事故の後から禁酒をしていたり。

できる範囲では正しい行いをするけれど、いざ自分にダメージがきそうだとサッと逃げるし、それによって誰かが損をこうむっても構わない。そしてそれを、半ば無意識でするタイプ。現実にいそう。

リバース (講談社文庫)
湊 かなえ
講談社
2017-03-15





リバース
湊 かなえ
講談社
2015-05-20


直木賞受賞作「何者」の中に出てくる脇役達が主人公になった短編集です。例えば、面接官、親友、好きな子の父親とその不倫相手、就活で知り合いになった同じマンションのカップルなど。
六編入ってて、話は「何者」を介して繋がっているけど、この六編自体の繋がりはなくて、独立した短編集となっています。

朝井リョウさんの書く学園生活は、主人公がクラスの《いけてる人気者集団》、または《ちょっといけてる普通のグループ》に属していることが多いです。「何様」でも、バンドをしている、クラスの中心的存在が一作目の主人公です。「去年告白してきた後輩~」というような文もさりげなくでてきます。学生時代、人気者だったっぽい朝井リョウさんならではの切り込み口だと思います。
また、《いけてないグループ》に属する子たちも、いじめを受けているとかではなくて、『ただ大人しい』とか、『共通の趣味(映画)を持つもの同士でいつも映画の話してる』など、それくらいです。

学園ものだと、いじめられている子や、いけてない子が主人公になることが多いし、いじめや無視がよくでてきます。けれど、自分の中高時代を振り返ってみると、グループに分かれて人気、不人気、声かけない、とかはあったけど、ただ気が合う子で集まるという感じだったので、朝井リョウさんの描くクラスの人間関係はリアルに近いなと感じます。その中で、自分はグループの他の二人となんとなくあわないとか、一歩ひいてしまうとか、乗り切れないとか、そういう一人一人が感じる悶々とした気持ちを表現していて、そこでまた共感できるのが面白いです。

↑このページのトップヘ